プロフィール
小西葵 [日本]
1998年福岡県生まれ。
京都芸術大学大学院 美術工芸領域 彫刻/立体分野 在籍
彫刻を物質の置き換えにより世界を思考する営みと捉え、人間の原始的な創造である生物体の象形に着目し、生物体の象形による対話を念頭におき制作を行う。 自身のタルパマンシー的私生活とチベット仏教の応身を由来としたタルパの語源「姿を変える」に基づき、自身のタルパをモチーフとした作品を展開する。 獣人仮装の文化とLiving sculptureの概念を引用し、自らを彫刻とする作品も手がける。
《message》
本展に参加させて頂くきっかけとなった代表作は、動物でも妖怪でもなく存在自体も曖昧な謎の生物がモチーフです。どこかで出会ったことがあるようでないそれはキャラクターのように見えて実はキャラクターではなく、それ自体のキャラクターもミステリアスなものです。
可愛らしさと同時にどこか哀れさや孤独を感じる姿は、私たち人間を含めた生き物の有り様を想起させ、奇妙でありながら見る者の心に触れます。私たちが己が何者であるかという根本に迫った時、行き着くものは地球に生息するただの生き物であるという事実です。そしてその事実に立ち返った時、自他の公平な認識が生まれるはずです。ただの生物である造形物たちはその起因になるかもしれません。