プロフィール
本郷芳哉 [日本]
1982年埼玉県に生まれる。2009年東京藝術大学大学院美術研究科修了。彫刻家。個展や芸術祭などでの発表に加え、コミッションワークも数多く手がけている。
「存在」、「境界」、「時間」、「自然」などの視座から、素材と向き合い制作していくことで得ることのできる体験的な感覚を通して、「人が生きるとは何か。」という問いについて思索し、その在り様について彫刻している。
主な展示に「御室仁和寺4.8藝術Project」(御室 仁和寺/京都/2022)、「空白」(ギャラリーせいほう/東京/2021)、「邊界 -BOUNDARY-」(YIRI ARTS Pier2 Space/高雄・台湾/2017)、「中之条ビエンナーレ2021」(旧沢田小学校/群馬/2021)、「對流風景CONVECTIVE SCENERY」(53美術館/広州・中国/2018)など。主な収蔵先にはALVA HOTEL BY ROYAL(Hong Kong)、三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア(東京)、笠間日動美術館(茨城)などがある。
《message》
私の制作の根底には「人間が生きることとは何か?」という問いがある。その大きな問いから派生的に生まれてくるいくつもの問いが、一つ一つの作品の起点となっている。
素材と向き合い、制作している時間は作品の起点となっている問いに対する答えを模索、追求していく時間だ。その中で得ることのできる体験的な感覚は、実体験として私の中に積み重なっていく。延々と繰り返される行程を経て、頭の中にある理屈や構想は私を離れ、逆に手の中にある素材や作品の方に言葉が現れはじめる。私はその言葉を綴り、一つの彫刻作品として存在させていく。そうして存在を得た作品は、事実として立ち上がり、現実の中で対峙する。それは「人間が生きることとは何か?」という問いと改めて向き合うことと同じ意味をもつことのように感じている。