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私はこれまで生物が生き延びるために得た”擬態”そのものに着目してきました。その表面的ではあるが生命存続のために行われる的確な手段に感銘を受け、様々な素材をアートに擬態させてきました。それらの素材は、絵の具に始まり、砂、スチロール、樹脂などのマチエールの他、食材のバターロールやマカロニまで広がり、それぞれが生物同様自らの”種”を存続させてきました。これらを生物と比較して便宜上「存在物」と呼んでいます。存在物はまだまだ増殖し、私の想像できないものに変わっていくような気もしますが、彼らが過去でも未来でもない”今”という時代に適応している姿がここにあります。