プロフィール
北浦雄大 [日本]
1994年奈良県生まれ。 2020年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。
漆は古くから、仏像や器など多種多様なものに用いられてきた。 長い歴史の中で自由自在に姿を変え、様々な素材と融合してきた漆とは、 私にとって、時代を越えて対話ができる唯一無二の存在である。 だから私は、時代を越えうる「安心感」をテーマに制作に取り組んでいる。 人間はこの世を生きる上で、人知の及ばないさまざまな事柄に対して「恐れ」を抱いてきた。この「恐れ」に折り合いをつけるために人間は、神や、 宗教といったものを作り出した。 救済されたいという願望に形を与え、 可視化することによって「安心感」が得られるのではないか。 現代の私たちも例外ではない。私は、人間の営みの中に生まれる「思いのかたち」を造形していきたいと考えている。